サードウェーブコーヒーって何?その特徴や楽しみ方をご紹介!
サードウェーブコーヒーって新しいコーヒーショップの名前?いいえ、これはお店の名前ではありません。サードウェーブとは第三の波、サードウェーブコーヒーはコーヒーに関する3番目の流行を意味しています。コーヒーにも流行があるわけですが、サードウェーブコーヒーとはどのような流行なのか、詳しくご紹介しましょう。
サードウェーブコーヒーとは
第三の波であるサードウェーブコーヒーは、アメリカで2000年頃から始まったといわれています。
サードウェーブコーヒーは、それ以前の流行であるファーストウェーブ・セカンドウェーブがあったからこそ生まれたのですが、それらの波がどのように影響したのか、ファーストウェーブとセカンドウェーブについて簡単に説明しましょう。
ファーストウェーブ
1800年代から1970年頃、庶民にはあまり馴染みのなかったコーヒーが、ようやく身近なものとして飲まれるようになった時代です。
この頃はそれほど味にこだわることがなく、大量に生産し大量に消費されるという飲み物で、1900年代に開発されたインスタントコーヒーや、その後の家庭用コーヒーメーカーの普及で、自宅でも気軽に飲むことができるようになりました。
セカンドウェーブ
1970年~1990年頃になると、コーヒーに関して品質にこだわるようになり、美味しさも追及されるようになりました。この頃に人気を集めていたのは、シアトル系の深煎りコーヒーで、カフェラテやフレーバーを追加するという新しい飲み方も生まれています。
特別なコーヒー、スペシャルティコーヒーも、このセカンドウェーブで誕生した概念です。
そしてサードウェーブへ
2つの波の後に生まれたサードウェーブは、より高品質のコーヒー豆を用いることで味や品質へのこだわりを持ち、さらに生産者から消費者への適正なシステムの確立も重視されるようになりました。
コーヒーの種子から一杯のコーヒーになるまでを追跡できる、トレーサビリティが明確であることを、サードウェーブでは注目します。
サードウェーブコーヒーの特徴
サードウェーブコーヒーの具体的な特徴について説明します。
シングルオリジン
複数の産地・複数の苗木から収穫したコーヒー豆ではなく、産地の特性を活かすことができる小さなカテゴリーに限定したコーヒーです。
例えば、1つのエリア・1つの農園・1人の生産者・単一種の苗木などで、このように限定することで品質がぶれることなく、高品質のコーヒーを安定して飲むことができるようになります。
浅煎り
サードウェーブコーヒーの焙煎は浅煎り、酸味の際立つ味わいです。セカンドウェーブでは深煎りが好まれましたが、コーヒー豆本来の酸味をしっかりと味わうことができる飲み方へと変わりました。
酸味のあるコーヒーが苦手だという人もいますが、品質の良い豆の酸味は果実に由来するものであり、フルーティさを感じられるので、先入観で敬遠するのはもったいないかもしれません。
ハンドドリップ
コーヒーマシンではなく、丁寧に1杯ずつハンドドリップで淹れます。マシンとは違い、淹れる人によっても味わいが異なる方法です。
ダイレクトトレード
仲介者を通すことなく、生産者からコーヒーショップ、あるいは消費者へと流通させることです。仲介料金が不要になりますから、生産者へ正当な料金が支払われることにもつながります。
これにより、生産者がコーヒー豆の品質を維持し、向上を図りながら生産の継続を目指すことが可能となります。
サードウェーブコーヒーの楽しみ方
自宅でもサードウェーブコーヒーを楽しんでみましょう。もちろん、シングルオリジンコーヒーを用意して、ハンドドリップで淹れてください。コーヒー豆はコーヒーショップで入手できるほか、通販などでも購入できます。
より味わいや風味を楽しむために、豆は挽いたものを購入するのではなく、ミルを使用して自分で挽くのがおすすめです。ドリッパーにフィルターをセットし、挽いたコーヒーを入れ、少量の熱湯を注ぎ、10秒~20秒ほど蒸らします。
その後、2回目のお湯を多めに注ぎ、3回目以降はコーヒー粉が完全に沈まないように、少量注いでいくのを繰り返します。抽出時間が長くなると酸味が強くなりますから、酸味が苦手な人なら2回目にそそぐお湯は多めにし、お湯を注ぐ回数を減らしましょう。
もちろん、サードウェーブコーヒーの酸味をより楽しみたい人なら、2回目のお湯を少なめにし、お湯を注ぐ回数を増やしてください。
セカンドウェーブコーヒーに馴染んでいる人なら、サードウェーブコーヒーにちょっと抵抗があるかもしれません。しかし、第三の波は第二の波よりも進化しており、コーヒー自体の品質向上はもちろん、社会の方向性も反映しています。酸味を重視するサードウェーブコーヒーですが、酸味をお好みに合わせて調整することも可能ですから、先入観を持たずぜひ試してみてください。