ホンジュラスコーヒーって知ってる?品質のいいコーヒーについて解説
マヤ文明が栄えた神秘の国ホンジュラス。日本の国土の約3分の1のホンジュラス共和国は中央アメリカに位置します。コーヒーベルトといわれる地球の赤道を中心にした熱帯地域はコーヒー栽培にとても適しており、ホンジュラスもそれに属します。スペシャルティコーヒーの常連となったホンジュラスコーヒーを一度は飲んでみたいと思いませんか?
ホンジュラスコーヒーとは
大航海時代の探検家コロンブスは、海の「深み」(スペイン語でオンドゥーラ)で船の錨が降ろせなかったことから、そのでき事が転訛しその名がついたホンジュラス。国旗はシンプルに青と白の2色でまとめられ青は太平洋とカリブ海、白色は国土と平和を表します。中央の五つの星は、国境が接するグアテマラ・エルサルバドル・ニカラグアにコスタリカを加えた中央アメリカ連邦を構成する五か国を示しています。
ホンジュラスではその気候から隣国と同様にコーヒー豆の生産量を急速に拡大し、バナナとともに国を代表する輸出品となりました。かつては中級品のイメージがあったホンジュラスコーヒーですが同国で開催されたカップ・オブ・エクセレンス(COE)において、その品質と味が評価され世界中にホンジュラスコーヒーの名が知れ渡りました。
ホンジュラス共和国の栽培環境
国土は山々に囲まれ、平地は約2割ほどです。雨季は湿度が高く、乾季はほぼ晴れが続き一年を通じて暖かい気候です。気温は約15℃~30℃を推移します。1年でもっとも暑いのは4月で、涼しい季節は10月~2月です。12℃以下に寒くなったり33℃以上に暑くなったりすることはほぼありません。自然災害の被害は深刻な問題です。ハリケーンにより避難を余儀なくされた住民もいます。
また首都のテグシガルパは小高い山に囲まれ斜面災害が多く発生しその対策管理プロジェクトも稼働しています。このように困難な条件下でもホンジュラスの人々はコーヒー豆の栽培に日々向き合い生産を続けています。1970年に設立されたホンジュラスコーヒー協会により、高品質なコーヒー豆の生産が推奨されたことがきっかけになり、2000年初頭から生産量を順調に伸ばし、現在では中央アメリカ最大のコーヒー生産国に成長しました。
生産地域や農園によって味わいや香りが変わる
品種はアラビカ種が主流で、精製方法はコーヒーの実を大量の水で洗い、果肉や粘液質を除去する水洗式が採用されています。コーヒー豆の大きさや、不良豆の混在率の低さで等級が決まる国があるなか、ホンジュラスではコーヒー豆を栽培する場所の標高が高いほど等級がよいとされます。
その格付けは3段階で、標高1,200m以上の高地で栽培されるストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)、標高900~1,200mのハイ・グロウン(HG)、標高600~900mのセントラル・スタンダード(CS)があります。小規模農園が数多くあるのも特徴で栽培地域や農園により味や風味が大きく変わります。
主な産地に、世界遺産のマヤ遺跡があるコパン地域、コパン地域と隣接し標高の高いモンテシージョス、観光地としても有名なアガルタなどが挙げられます。農家や生産者団体の関与、生産履歴を知ることができるトレーサビリティが備わっているので私たちは安心してコーヒーを飲むことができます。
まとめ
ホンジュラスは経済の低迷による治安の悪化や政治の混乱に加え、ハリケーンなどの自然災害の頻発などによる作物の被害など、さまざまな課題がまだ残されています。しかしコーヒー栽培においては国土の面積も小さく労働力も限られるホンジュラスでは数ではなく質にこだわってきた結果、多数の名産地が生まれ品評会では最高位の評価を獲得しました。そんな神秘と文明の国、ホンジュラスのコーヒーをぜひ手に取って味わってみてはいかがでしょうか。