妊娠中のコーヒーはNG?控えた方が良い理由
妊娠中はコーヒーを飲んだらダメだと聞いたことはありませんか?しかし、普段からコーヒーを好んで飲んでいたなら、妊娠しても飲みたいと思う方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、妊娠中のコーヒーを控えた方がよい理由を解説します。妊娠中にコーヒーを飲む場合の注意点もお伝えするので、参考にしてください。
妊娠中のコーヒーは控えた方良い?
妊娠しているときや授乳している間はコーヒーを控えた方が良いと言われています。なぜなら、妊娠中や授乳中に摂取するカフェインが、胎児や母体に影響を与えるおそれがあるためです。カフェインには血管を収縮させる働きがあります。そのため妊娠中や授乳しているときはカフェインの取り過ぎはなるべく控えた方がよいでしょう。
■妊婦さんに与える影響
妊娠中は代謝能力が低下して、通常の3分の1程度になると言われています。そのため妊娠中は体内にカフェインがたまりやすくなっていて、普段よりもカフェインの影響を受けやすくなってしまいます。カフェインには血管を収縮させる作用があるため、妊娠中にカフェインを摂取するとお腹が張って流産や早産のリスクを高めることになってしまいます。またカフェインは鉄分の吸収を妨げるので妊婦さんの貧血の原因となったり頭痛や不眠といった身体の不調の原因になるおそれがあります。
■胎児に与える影響
カフェインには胎盤を通過しやすい性質があります。そのため、妊婦さんの血液内のカフェインが、胎盤を通ってほぼそのまま胎児にいってしまいます。肝臓が発達しきっていない胎児はカフェインをうまく分解できず排出できません。そのため体の中にカフェインがたまってしまい、胎児に大きなダメージを与えるおそれがあるのです。分解できないカフェインが胎児の体の中にたまると、発達障害や低体重児などの原因にもなると言われています。
コーヒー以外にカフェインが含まれている飲み物
カフェインが含まれる飲み物というとまずコーヒーを思い浮かべる人が多いと思いますが、カフェインはコーヒー以外の飲み物にも含まれています。カフェインがコーヒー以外にどんな飲み物に含まれているかを知っておいた方がよいでしょう。カフェインを含む割合が多い順にランク付けすると次のようになります。
1.玉露・コーラなどの炭酸飲料・エナジードリンク
2.紅茶・煎茶・ほうじ茶・烏龍茶
3.番茶・玄米茶・ココア
4.麦茶(なし)
妊娠中は、これらのカフェインを含む飲み物を避けるようにしてください。
妊娠中にコーヒーを飲むなら
しかし、妊娠中はコーヒーをまったく飲んではいけないというわけではありません。WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、1日にコーヒー2杯~3杯ぐらいなら妊娠中に飲んでも胎児に大きな影響を与えるおそれは少ないとされています。ただし、妊婦の体質や体形によっては、毎日コーヒーを飲んでも全く問題ないとは言い切れないので注意してくださいね。
なるべくカフェインを含む飲み物を飲まないようにして、どうしても飲みたいというときだけ、楽しむというのが理想です。心と体に負担が大きい妊婦さんにとって、ホッと一息つく時間はとても大切なひとときです。現在ではカフェインが入っていないコーヒーや緑茶などもあります。
そのため、カフェインを含まないコーヒーを利用すれば、気分転換にもなり、妊婦や胎児にも負担が少なくてよいでしょう。カフェインが入っていないコーヒーでも普通のコーヒーに引けを取らないコクや香りが楽しめますし、カフェインレスコーヒーを使ったカフェオレもあります。気分に合わせていろいろな味を楽しむことがおすすめです。コーヒー好きな妊婦さんでも安心して飲むことができる頼もしい味方ですね。
他にもカフェインが入っていない飲み物として黒豆茶やルイボスティ、ハーブティーなどもあります。ただし、ハーブの中には特性として子宮収縮を起こすものもあるので注意してください。
カフェインが入っていない飲み物としてたんぽぽの根からできたたんぽぽコーヒーもあります。こちらもノンカフェインで妊婦さんにおすすめです。コーヒーに似た香ばしい香りがしますし、おまけにビタミン、ミネラル、鉄分が含まれているので妊婦さんの健康維持にも貢献すると言われています。
ノンカフェインの飲料を飲む際の注意点として、ノンカフェインとカフェインレスは違うものだということです。ノンカフェインはカフェインが全く含まれないものを指し、カフェインレスはカフェインが少ないものを指します。したがって、完全にカフェインを避けたい人は、ノンカフェインを選ぶようにしましょう。
コーヒーが好きな人にとって、妊娠をきっかけにコーヒーを完全に断つことを、ストレスに感じる人もいるでしょう。しかし、妊婦がコーヒーをまったく飲んではいけないわけではありません。カフェインが入っていない、もしくは少ないものであれば飲んでも問題ないと言われています。母子ともに負担がかからない範囲で、コーヒーを楽しむようにしましょう。