象が作る最高級のコーヒー!?ブラックアイボリーコーヒーとは
世の中にはちょっと変わったコーヒーもあり、どのように製造されるのかを聞いてしまうと、飲むことに勇気が必要になるのかもしれません。おそらくブラックアイボリーコーヒーも、そんな勇気が必要になるかもしれないコーヒーのひとつでしょう。象が作るというブラックアイボリーコーヒーについて、じっくりとご紹介します。
ブラックアイボリーコーヒーは象のフンから作られる
ブラックアイボリーコーヒーは、象によって作られるコーヒーですが、象がせっせとコーヒーを栽培したり、豆を焙煎するわけではありません。実は、象にコーヒー豆を食べさせて排出されたフンの中からコーヒー豆を取り出し、しっかり洗浄して乾燥させたあと、焙煎したというコーヒーです。
動物にコーヒーの実を食べさせ、フンとして排出されたコーヒー豆を使用したコーヒーは、ほかにもジャコウネコ由来のものがありますが、ブラックアイボリーコーヒーはそれよりも高価で希少なコーヒーです。ブラックアイボリーコーヒーは、製法が珍しいというだけでなく、味も格別で、苦みを抑えたマイルドな味わいと独特な香りがあります。
このような特別な風味・味わいを持つ理由は、消化酵素の働きや体内で起こる自然発酵が影響したり、コーヒー豆と一緒に食べた果物やハーブも影響するといわれています。いったん象の体内を通って、フンとした排出されたコーヒー豆ですが、とくに排泄物の臭いなどは気にならず、この豆で淹れるコーヒーは安心して飲むことができるでしょう。
ブラックアイボリーコーヒーは希少価値が高い
ブラックアイボリーコーヒーは、生産する象の数が多いわけではありませんし、1頭の象が1回に生産するコーヒー豆も多いとはいえません。また、生産しているのはタイの「ブラックアイボリーカンパニー」という会社のみなので、市場に出回る量も非常に少ないです。
ブラックアイボリーコーヒーを1㎏作り出すためには、象にコーヒー豆を33㎏も食べさせる必要があるといわれています。33㎏も与えて1㎏しか採れない理由は、象が食べているときにかみ砕いてしまったり、フンを回収できない場所にしてしまうことなどがあげられます。また、コーヒー豆だけを33㎏食べさせるのではなく、普段食べているバナナや米などと一緒に食べさせるので、象の食欲次第では、与えたコーヒー豆が食べ残される可能性もあります。
このように、手間がかかる上に少量しか収穫できないため、ブラックアイボリーコーヒーは希少価値が高く、高級なコーヒー豆になってしまうのです。ちなみに、ブラックアイボリーコーヒーの相場は100gで30,000円以上するといいます。以前、話題になったジャコウネコ由来のコーヒー「コピ・ルアク」は100gで10,000円ぐらいなので、ブラックアイボリーコーヒーがいかに高級品であるかが分かるでしょう。
ブラックアイボリーコーヒーの入手方法や飲み方とは
これほど珍しくて高級なコーヒーなら、好奇心も手伝ってぜひ飲んでみたいと思うのではないでしょうか。しかし、ブラックアイボリーコーヒーはとても希少なコーヒー豆ですから、簡単に手に入れることはできないようです。入手するならコーヒーを専門に扱うお店で取り寄せてもらったり、ネット通販で探してみるのがおすすめです。
■ブラックアイボリーコーヒーの美味しい飲み方は?
ブラックアイボリーコーヒーは一般的なコーヒーではないため、飲み方については生産しているタイの「ブラックアイボリーカンパニー」が推奨する方法を参考にしたほうがよいでしょう。使用するのはこの会社独自のサイフォンでの抽出で、お湯の温度は93度が適温です。抽出してすぐに飲むのではなく、70度まで冷ましてから飲むことでより風味を味わえるということです。
独特な製法で生産量も少ないため、ブラックアイボリーコーヒーは非常に高価で入手も簡単ではありません。正直な話、ちょっと不思議な味わい・風味なので好き嫌いが分かれるともいわれています。でもコーヒー好きなら、一度は試す価値のあるコーヒーですから、チャンスがあったらぜひ入手して、じっくりと味わってみてください。