ハーブコーヒーって美味しいの?種類や特徴について解説!
ハーブコーヒーはコーヒーの代用として世界でも広く流通しています。これには、人類の歴史が大きく関わっているのです。ここでは、ハーブコーヒーであるタンポポコーヒー、チコリコーヒーの起源、飲み方、栄養価などについて解説していきます。ハーブコーヒーについて興味がある人は、ぜひご一読ください。
ハーブコーヒーとは
ハーブコーヒーは、コーヒーとありますが、コーヒー豆は使用していません。大雑把に言えば「コーヒーっぽい飲み物」といってよいでしょう。それぞれ味や香りに特徴があり、コーヒーの代用品としての側面が強いですが、栄養価などの側面から見れば有用な飲み物として認識されています。
タンポポコーヒーの特徴
タンポポコーヒーはアメリカが起源といわれています。たんぽぽコーヒーを作るには「タンポポの根を抜き、水洗いする」→「適当な長さに切って、水であく抜きし、フードプロセッサーや包丁で細かく粉砕する」→「天日や電子レンジで完全に乾燥させる」→「コーヒーのように焙煎する」→「焙煎したものを煮出すかドリップする」といった工程を要します。
タンポポはどこでも手に入るので、誰でも簡単に作ることができますよ。たんぽぽコーヒーはかつて、植民地戦争に破れ、海外からの物資が手に入りにくい第二次世界大戦中のドイツにおいて、重宝された歴史があります。いつ死ぬかわからない戦争中に悔いを残さないために必要とされているのが「コーヒー」「タバコ」「酒」の3つですが、当時のドイツではそのすべてが足りませんでした。
しかし、タンポポコーヒーは野戦場でも手に入り、気軽に楽しめる嗜好品として兵士に飲まれたのです。また、タンポポコーヒーは、コーヒーの香りに似た成分であるクロロゲン、食物繊維の仲間であるイヌリン、カリウムなどが豊富で、栄養価の上ではコーヒーを上回っています。クロロゲンはポリフェノールの仲間で、抗酸化作用を持つ成分。イヌリンはゴボウに多く含まれ、食後の血糖値が急激に上昇するのを防ぐ物質です。
サプリメントなどでも採用され、近年注目が集まっています。カリウムは、利尿作用を持ち、体に有害な物質を体外に出す役割を担います。そのほか、ビタミン、カルシウム、鉄分などを含み、スーパーフードにも見劣りしない栄養を誇り、コーヒーのようにカフェインを含まないのが特徴です。カフェインが摂取できない妊婦さんなどのリラックスタイムに重宝することでしょう。
チコリコーヒーの特徴
ヨーロッパから中央アジアにかけて広く栽培されているチコリは、その地域に欠かせないハーブとして重宝されていました。炒めたり、スープに入れたりするなど、幅広く活躍するハーブです。チコリコーヒーの歴史は古く、フランスのナポレオン皇帝の時代に遡ります。ナポレオンはイギリスをヨーロッパの経済圏から締め出すために「大陸封鎖令」を出しますが、アジアやアフリカはイギリスが依然押さえていました。
そうなると、イギリス経由で入ってきたものがヨーロッパに輸入できなくなります。砂糖、紅茶、香辛料、絹、貴金属などが代表例ですが、コーヒーも例外ではありませんでした。それだけ、当時のヨーロッパはイギリスの海上貿易網に依存していたのです。その当時、ヨーロッパはカフェ文化真っ盛りで、コーヒーがないことは多くの国民にとって非常に不満なことであったことは想像に難くありません。
このような状況が続くと、国民の不満が爆発してしまう。なんとか変わりになるものはないかと、目をつけたのがチコリコーヒーでした。飲み方はタンポポコーヒーと同じで、栄養価もタンポポコーヒーと同様に非常に高い栄養価を誇ります。味はタンポポコーヒーと比較して元がハーブであるので、少し甘みがあるのが特徴です。こちらもカフェインが入っていないので、妊婦さんにもおすすめです。
ここまでタンポポコーヒー、チコリコーヒーの特徴を解説してきました。コーヒーの代用品として登場したタンポポコーヒーとチコリコーヒー。現在では、代用品としてだけでなく、健康食品としての側面から熱い視線を世界から浴びています。登場した歴史や背景を知るとさらにこれらが味わい深いものになりますね。上記を参考に、ハーブコーヒーを味わってみてはいかがでしょうか。