世界で総生産の約40%を占めるロブスタ種!アラビカ種とどう違う?
コーヒー豆の一種としてつくられているロブスタ種。生産量は何と世界第2位です。アラビカ種に比べて甘味は少ないですが、独特の苦味や甘いスイーツとも合うといった、オリジナルの魅力もあります。コーヒー好きならぜひとも飲んでおきたいロブスタ種について、今から詳しく見ていきましょう。
アラビカ種に次いで生産されているコーヒー豆
ロブスタ種は、アラビカ種に次いで多く生産されているアフリカ原産のコーヒー豆であり、世界で総生産の約40%を占めています。ラテン語で「頑丈」「がっしり」という意味を持つロブスタ種は、その名のとおり、病気や害虫に強く育てやすい点が特徴。
さらに、高温多湿の環境でも栽培できる点や、1本の木からコーヒー豆を大量に収穫できる点も評価を得て、世界中に拡大していきました。低い標高の土地でも栽培可能であるため、アラビカ種を育てにくいアジア諸国、とくにインドネシアやベトナムでの栽培がさかんです。
ロブスタ種はあまり人気がない?
ロブスタ種はアラビカ種と比べて、人気がないのでしょうか?確かに、ロブスタ種はあまり甘くないので、飲みづらい、おいしくないと思う人もいるかもしれません。また、特有の苦味も感じますが、これはカフェイン量が原因ではなく、クロロゲン酸類という成分の影響だといわれています。
甘味があまり感じられず、苦味や渋味ばかりが注目されがちになってしまいますが、ふんわり香る香ばしさやわずかに感じられる酸味が大きな魅力。甘味が少ない分、甘いスイーツとの相性がよいことも特長です。アラビカ種とはまた違った特有の魅力があり、コーヒーファンを魅了しているロブスタ種。けして人気がないというわけではありません。ロブスタ種独特の苦味や渋味をゆっくりと味わうことで、コーヒーのさらなる魅力にも気づけるでしょう。
アラビカ種との違いを比較
ロブスタ種とアラビカ種は、違いが実に対照的。簡単にまとめました。
標高
アラビカ種は標高1,000~2,000mの熱帯高地での栽培に向いています。ロブスタ種は標高が低い地域でも栽培できます。
年間降雨量
アラビカ種は深く根を伸ばせるので、地表が乾いていても育ちます。年間1500~2,500mmの降雨量で充分。対し、ロブスタ種は年間2000~3,000mmの降雨量でよく育ちます。
豆の糖度
アラビカ種は糖類含有量が高く、じっくりと焙煎することで糖が変化し、味わい深いコーヒーに仕上がります。ロブスタ種はアラビカ種より少し低く、しっかりした苦味が出ます。
日本では缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われている
日本において、缶コーヒーやインスタントコーヒーによく使用されているのがロブスタ種です。先ほどもお伝えしたように、ロブスタ種は頑丈で、低地での栽培も可能。さらに収穫量も多いので、育てやすい品種です。栽培が比較的容易で、1本の木から大量に収穫できることから安値で取引されるため、日本で多く使われているのです。
さらに、アラビカ種と比べて味わいがあまり変わらない、独特の苦味と香りがあり少量でも個性的な風味が味わえるというメリットも、缶コーヒーやインスタントコーヒーに向いているといえるでしょう。
まとめ
ロブスタ種は、世界で総生産の約40%を占めているコーヒー豆の一種です。個性的な香ばしさ、しっかりした苦味、渋味といったアラビカ種では味わえない、独特な魅力を持っています。頑丈で病気や害虫に強いため栽培がしやすく、1本の木から大量に収穫できる。そして、風味も変わりにくいといったメリットから、日本では缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料に使われていることが多い品種です。ロブスタ種ならではの苦味や渋味をぜひ味わってみてはいかがでしょうか?