ペルー産コーヒー豆にはどんな特徴がある?生産環境や栽培方法とは
南米でコーヒー豆の生産量が多い国といえば、1位がブラジル、2位はコロンビア、そして3位がペルーです。日本ではブラジルやコロンビアほど知名度はないかもしれませんが、ペルーはコーヒー栽培に適した環境にあり、美味しいコーヒーの産地として知られています。ベル―産のコーヒーについて、じっくりとご紹介しましょう。
ペルー産コーヒー豆の特徴
ベル―産のコーヒーの特徴を一言でいうと「マイルド」です。苦みは軽めでクセがなく、コクも軽くバランスの取れた酸味があります。ナッツのような香ばしい風味があり、柑橘系の香りも感じられ、飲みやすいコーヒーだといえるでしょう。ペルー産のコーヒー豆の、有名な銘柄についてご紹介します。
■チャンチャマイヨ
標高1,500~1,600mにある、チャンチャマイヨ渓谷で栽培されているコーヒーです。濃厚なコクがあり、スパイシーな香りも感じられるコーヒー豆になります。
■エルパルゴ
標高1,300mのエルパルゴ山脈で栽培されているコーヒーです。ビターチョコレートのような苦みと甘みが特徴のコーヒー豆になります。
■ウチュニャリ
ペルーにはちょっと変わったコーヒーもあります。コーヒーの実は、ペルーに生息しているハナグマの大好物、種も一緒に飲み込むのですが種のみ排泄物として排出されます。その種、つまりコーヒー豆ですが、これを利用したコーヒーも流通しています。動物のフンに混ざっているコーヒー豆といえば、インドネシアの「コピ・ルアク」が有名ですが、これはジャコウネコが排出するものです。ペルーの場合は、ジャコウネコではなくハナグマであり、酸味がまろやかで甘みも上品な、ペルー最高級のコーヒー豆です。
ペルーでのコーヒー豆の生産環境や栽培方法とは
ペルーでは、ほぼ全土でコーヒー栽培が行われています。生産環境と栽培方法について説明しましょう。
■生産環境について
ペルーは世界最長の山脈であるアンデス山脈が国土の南北を貫き、世界最大規模の河川であるアマゾン川も流れている国です。年間を通して気温が20~30℃と、温暖ですが1日の寒暖差が大きく、湿度も高くアマゾン川からの豊富な水も得ることができるので、コーヒーの栽培に適している環境です。
■栽培方法について
ペルーでコーヒーを栽培している農家は約22万世帯、そのうち85%は小規模な農園でオーガニック製法を取り入れているといいます。農薬や化学肥料を一切使用しないオーガニック製法の場合、体に安心なだけでなく、育ったコーヒー豆は通常よりもサイズが大きく、形も整うという特徴があります。日本でも、機械ではなく手作業によるオーガニック製法で作られた、このようなペルーコーヒーを輸入しています。
ペルー産コーヒーの美味しい飲み方
ペルー産コーヒーのおすすめの飲み方をご紹介します。
■焙煎について
ペルー産のコーヒーは浅煎りと深煎りで、異なる味わい・風味を楽しむことができます。浅煎りならほどよい酸味と柑橘系の香りがさわやかなコーヒーになり、深煎りではチョコレートのような濃厚な風味と苦みも味わうことができます。ストレートで飲むだけでなく、ブレンド用にも向いているコーヒーです。
■お湯で調整する
ペルーでの一般的な飲み方でもあるのですが、ドリップしたコーヒーをそのまま飲むのではなく、お湯で割って好みの濃さに調整するという方法があります。現地ではお湯で割ることを前提としているので、元が濃いめのコーヒーで出されます。お湯で割るといっても、コーヒーカップに最初から入っているのがお湯で、そこに濃厚なコーヒーを入れて飲むスタイルです。自分でドリップするなら、まず薄めずにそのまま味わい、その後にお湯で割って飲んでみてください。お湯で割ったペルーコーヒーは、雑味のないすっきりとした味わいになります。
ペルー産コーヒー豆は高品質な豆として定評があり、焙煎の度合いによって味わいや風味を変えて楽しむこともできます。日本では珍しいペルー現地の飲み方もぜひ試してみて、機会があったら希少で最高級のコーヒー豆・ウチュニャリも味わってみてください。