空腹のときにコーヒーは飲まないほうがよい？体調を崩す原因とは

「朝起きてすぐコーヒーを飲んだらお腹が痛くなった…」という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。コーヒーにはカフェインが含まれているため、空腹時に飲むとお腹が痛くなることがあります。しかし、なぜ空腹時にコーヒーを飲むと体調が悪くなるのでしょう？その原因を解説し、コーヒーを飲むときのポイントを紹介します。

空腹時にコーヒーを飲むとどうなる？

空腹とは、胃に食べ物が入っていない状態を示します。この状態で食べ物を食べれば通常通り消化されるのですが、コーヒーを飲むと胃が荒れてしまいます。具体的にどういう原理が働くのでしょうか。詳しく解説します。

コーヒーでなぜ胃があれるのか

コーヒーにカフェインが含まれています。興奮作用があるため、眠気を吹き飛ばしたいときに飲む方も多いでしょう。

しかし、カフェインには胃酸の分泌を活性化させる消化酵素「リパーゼ」があります。コーヒーを過剰摂取するとリパーゼが活性化し、胃酸が過剰に分泌されるため、胃の粘膜を刺激して負担をかけてしまいます。

これが、朝起きてすぐコーヒーを飲むと、お腹が痛くなる原因です。また、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」や「タンニン」という成分が、胃酸の分泌を増進するため、胃痛を引き起こすともいわれています。

そのほかの影響

空腹時にコーヒーを飲むと胃痛だけでなく、個人差によっては吐き気やめまい、不安や震えなどを感じることもあります。また、血糖値が上がりやすくなります。食後のコーヒーは血糖値を抑える働きがあるのですが、空腹時に飲むと逆効果になるため注意が必要です。

加えて、消化機能が低下するほかストレスホルモンが過剰に分泌されるため、イライラして集中力が下がるほか、過敏性大腸症候群を引き起こす可能性もあります。

空腹時にコーヒーを飲むときのポイント

空腹時でもコーヒーを飲みたいこともあるでしょう。この場合、次の3つのポイントに気をつければ胃にあまり負担をかけずに済むことができます。

摂取する量を少なくする

カフェインの摂取する量を抑えれば、腹痛を引き起こすリスクを減らせます。厚生労働省では、1日あたりのカフェイン摂取量は最大400mgにするよう呼びかけています。このカフェインの量は、コーヒーをマグカップで約３杯分になります。妊婦さんであれば、300mg（コーヒーをマグカップで約２杯）に抑えるべきです。

また、同じカフェインを含む、エナジードリンクや清涼飲料水などと一緒に飲むことも危険です。

先に水や白湯を飲む

カフェインの濃度を下げるため、先に水や白湯を飲むと効果的です。整腸効果が期待できるほか、起床時の体は脱水状態になっているため水分補給もでき、カフェインによる利尿作用で水分が失われてしまうのを防ぐ効果もあります。

牛乳・豆乳を加える

胃の壁を守るために、牛乳や豆乳などをコーヒーに加える方法もあります。近年ではアーモンドミルクやオーツミルクを入れる方法もあります。牛乳に含まれる動物性の脂質が気になる方は、植物性のミルクを入れてもよいでしょう。

カフェインの少ないコーヒーを飲む

カフェインを取り除いた「デカフェ」や、含有量が少ない「カフェインレス」のコーヒーもおすすめです。一般的なコーヒーに比べるとカフェインの量が少ないため、胃が荒れません。妊婦さんなどに向けてカフェインレスのコーヒーが販売されており、ドラッグストアでも入手できます。

コーヒーを飲むときに気をつけること

空腹時でなくてもコーヒーを飲むときに気をつけることはたくさんあります。皆さんも知らないうちにこうした飲み方をしているかもしれません。

9時から11時頃に飲む

朝にコーヒーを飲むのであれば、9時から11時ごろまでの間がおすすめです。この時間帯はコルチゾールというストレスホルモンの分泌が少ないため、イライラしにくくなります。

食前ではなく食後に飲む

空腹状態の食前でコーヒーを飲むと胃が荒れるため、食後に飲むようにしましょう。食後のコーヒーには血糖値を抑制する働きがあるほか、口の中をすっきりとさせてくれます。

揚げ物などを食べながら飲まない

脂っこいものは消化を妨げ胃に負担をかけるため、空腹時にコーヒーと一緒に食べると胃がさらに荒れます。胃に負担をかけないためには一緒に食べないか、コーヒーまたは食べ物のどちらか一方を選びましょう。

まとめ

空腹時にコーヒーを飲むとお腹が痛くなる原因を解説し、空腹時にコーヒーを飲むときのポイントを紹介しました。なるべく胃に負担をかけないためには、牛乳や豆乳を入れて飲む方法がおすすめです。甘いコーヒーが苦手な方は、デカフェやカフェインレスのコーヒーを飲むとよいでしょう。このように、コーヒーを絶たなくてもよい方法はたくさんあります。朝起きてすぐコーヒーを飲むことが習慣となっている方は、こうしたポイントを実践してはいかがでしょうか。